梅毒が急増のやばさがヤバい
最近は、ニュースでも大阪府の梅毒患者数が1000人を突破したなどがニュースになっているので気になる方も多いと思います。
今回は、なぜ梅毒が増えているかについてデータを交えて考えていきたいと思います。
梅毒とは?
梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)が原因の性感染症です。
梅毒という病名は、症状に見られる赤色の発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることからきています。
梅毒がうつる経路は
- 性器と性器
- 性器と肛門(アナルセックス)
- 性器と口(オーラルセックス)
が主な原因となります。
しかし、梅毒の感染経路は、胎盤を関した母子感染や、看護師の針刺し事故からの感染なども報告されています。
梅毒の発生動向
梅毒は世界中で流行している性感染症です。
特に、先進国では男性同士の同性愛者の間で流行する傾向がありました。
日本でも梅毒は何度も流行していましたが、治療薬のペニシリンの普及などにより2000年代は500人程度の患者数にとどまっていました。
しかし、2010年頃より急激に増加傾向を示し、2017年は5000人を越え、約10倍に爆発的に患者数が増えています。梅毒患者が5000人を越えたのは44年ぶりという事件です。
また、今回の流行の特徴は、若い女性に多いということです。
梅毒の感染動向を反映する早期の梅毒は、20歳から44歳までにピークをあります。
今回の流行では、2012年から2014年に20代から40代に男性が増えて、女性は2013年から14年に倍増しています。
特に10代から20代の増加が多いです。
余談になりますが、18歳以下の梅毒感染は2008年から2014年までに57名でした。
感染経路としては、2008年以降、男性は同性間性的接触により感染が起きていますが、2012年以降は異性間の性的接触での報告も増えています。
女性は異性間が感染の主な原因です。
梅毒の初期症状
では、なぜ梅毒はこんなに流行しているのでしょうか?
梅毒は、クラミジアや淋病と異なり、症状が出現するまでの潜伏期間が長く、初期症状に痛みを伴わないことが特徴です。
また、初期症状は2週間程度で自然消退してしまうために見逃されやすいです。
そのために、初期症状で病院に受診しようとしても「症状もない。時間も無い。」ということで病院に行かず、そのまま症状が治ってきたので「たいしたことないか!」と思ってほったらかしにしてしまう人が多いことも梅毒が流行している原因の一つです。
性交後、3週間程度で性器にしこり(初期硬結)が出来てきたり、押さえてけても痛くない股の付け根が腫れてくる(無痛性黄痃)などがあれば、性病検査をオススメします。
性病検査も注意が必要
梅毒の検査方法はSTS(脂質抗原法)とTPHA(TP抗原法)と値を測定して判定します。
以前までは脂質抗原法が陰性でTP抗原法が陽性の梅毒は、治療後梅毒だけでしたが、検査方法の進歩によって感染初期の梅毒でも陽性になります。
脂質抗原法 |
TP抗原法 |
結果の解釈 |
---|---|---|
陰性 |
陰性 |
非梅毒 |
陽性 |
陰性 |
梅毒感染の初期 |
陽性 |
陽性 |
梅毒 |
陰性 |
陽性 |
梅毒治療後 |
まとめ
梅毒は、アウトブレイク状態にある感染症です。
怪しいと思ったら必ず性病検査を受けることをオススメします。